其の八
寄合(よりあい)
旗本は3つに分けることができる。
高家、寄合、それに平(ひら)の旗本である。
次に寄合を2つに分けることができる。
交代寄合と平の寄合である。
交代寄合というのは、旗本でいながら大名のように参勤交代をするので、この名がある。
参勤交代であるからいずれも領地を与えられている。
従って国にも家がありまた江戸にも家がある。
そういうわけで非常に金がかかる。
なぜこんなことになったかというと、何か事が起こって、当然大名にすべきところを、その資格だけ与えて、それだけの石高を与えなかった。
非常に損な結果になっている。
寄合の方も特別な格式が与えられているに過ぎない。
なぜこういう名があるかというと、この人たちははじめからの家康の家来ではなく、後になって独立ができないので、致し方なしに、諸方から徳川の許へ寄合ってきて家来になったためである。
そういうわけで、昔はとにかくも小さいながらも独立をしていた人であったから普通の旗本よりは格式はいいことになっていた。
50人くらいいる。
交代寄合ともに3000石以上、7~8000石くらいまでの人たちである。