其の五
旗本
よく旗本八万騎というが、実際は3万人くらいと言われていた。
この旗本を3つに分けることができる。
それは高家、寄合、それに平(ひら)の旗本である。
次に寄合を2つに分けることができる。
交代寄合と平の寄合である。
旗本屋敷の造りは、正面が門、その横に潜り(くぐり)があって側に門番小屋がある。
武家の門というものは平常は必ず閉めておく。訪問者は「御門番!」と門番を呼んで、門を開けて貰ってから入ることになっていた。
門の両側は出窓になっていて、長屋があって、そこには用人や家来が住んでいる。
門から玄関までは砂か石を敷き詰めて、玄関は式台つき、玄関の側に後ろへ下げて中の口というものがある。
これは内玄関である。
注意すべきは、武家屋敷の訪問者への取り次ぎは必ず男でなければならないし、また男は必ず袴をつけていなければいけない。
但し中の口からの人に対しては女が出ても構わない。
(つづく)