八丁堀 鮨處 司

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其の十五

火消

火消には定火消、大名火消、方角火消、町火消、それに加賀鳶、各自火消、見舞火消がある。

定火消(じょうびけし)

これは武家火消で若年寄の支配。俗に10人火消とも言う。

それは昔10人(10か所)いたためであるが、それが8人となり、6人となり、2人となり、維新の頃には2、3人になっていた。

この10人(10か所)の火消屋敷は、八代洲河岸、半蔵門御門外、御茶ノ水、駿河台、赤坂御門外、飯田町、小川町、四谷御門外、市ヶ谷内坂、溜池にある。

与力6騎、同心30人と、100人前後の火消人足がいる。

この人足を火焔(がえん)という。

この火消屋敷の玄関には、纏が立ててあるが、これには馬簾がなく錫箔地に主人の定紋か桐印をつけている。

また、門の敷居は取り除いている。

定火消の装束は、裏金の陣笠、羅紗羽織、繻子もしくは袍子の野袴で兜頭巾のしころを翻して馬を躍らせていた。

火消屋敷の火の見には大きな太鼓を吊るし、いつも2人の番人が詰めて昼夜ともに警戒している。

火事の場合は第一にこの太鼓を打つ。

火の遠近、方角によって太鼓の打ち方も決まっている。

さらに火消屋敷で太鼓を打つまでは、どんなことがあっても、板木や半鐘を打つことはできないので、町の火の見や大名の火の見番が目の前に火事を見ても火消屋敷の太鼓が鳴るのを待たなければならない。

火消屋敷の太鼓がドンと響くと、諸藩の火の見では板木を打ち、町の半鐘も一斉に鳴り響いた。